切り紙細工は中国でもっとも広く行われている民間芸術の一つで、古代の文献によればその歴史は紀元6世紀にまで溯る。　宗教的儀式や装飾や造形芸術などとして使われている。　

　現在切り紙細工は一般に装飾として利用されることが多く、壁や門それに窓、柱、灯篭などを飾ったり贈り物の装飾として使われ、切り紙細工自体を贈り物とすることもある。切り絵文化は、中国全土及びその周辺地域に広く分布しています。
　一般的に北方の切り絵は素朴にして雄健、南方のものは繊細優美と評されます。地域により、デザインや色彩、製法に大きな違いがあるのも、切り絵を見る楽しさの一つです。 切り絵のモチーフにされるのは主に動物ですが、神話、民間伝説、歴史物語、虫草、花鳥など、様々なものが題材とされます　

　題材は違っても吉祥や瑞兆を表現した図案であることは共通しています。これは身近なものへの愛情と、繁栄を願う心の現われなのです。

　悠久の歴史が育んだ豊かさ、広大な大陸がもたらした多様性、そして抽象化された秀逸なデザインで、切り絵は歴史に残る芸術と言えるでしょう。

　一般的な中国の家庭では、窓ガラスや家具などに糊で直接貼り付けますが、手に入りづらい日本では少々リスキーかもしれません。やはり色に合ったシンプルな額に入れて飾るのがお勧めです。

　また切り絵は、パウチで枝折に加工したり、下敷きにしたりと、様々な楽しみ方ができることも大きな特徴です

【剪紙の用途と名称】
『窗花（そうか）』…窓に貼るもの。
『団花（だんか）』…円形の紋様で、天井などに貼るもの。
『礼花（れいか）』…贈答用、贈り物に貼ったりします。卵とか食べ物の上にも貼られてました。
『角花（かくか？）』…窓などの隅に貼る、三角形の紋様。
『喜花(きか？）』…慶事に使う。主に結婚式の時に使われていて"喜"の文字が2つ並んだ、双喜（そうき）文字。
『花辺（かへん?）』…ものの枠を飾る。
『龍灯花（りゅうとうか）』…旧正月15日の灯節の祭りに提灯に貼ります。
『靴様花（あいようか）』…布靴の刺繍用。
『枕頭花（ちんとうか）』…枕カバーの刺繍用。
『児頭花（とうとうか）』…子供の腹巻の刺繍用。などなど。
※"花"とは中国語で、図案?模様といった意味で、モチーフが花という訳ではありません。
 　またその物の特徴をしっかり押さえながらも、極限までシンプルに表した技法は、秀逸の一言です