中国系女性科学者で「人工知能(AI)の母」と呼ばれる李飛飛(フェイフェイ・リー)氏が率いるスタンフォード大学の「人間中心AI研究所(HAI)」はこのほど、「AIインデックス・レポート2024」を発表した。今年のバージョンは内容、規模、範囲の面でいずれも例年を上回り、人類の日常生活において日増しに高まっているAIの重要性を反映。今年のレポートは23年のAI業界の10の主要トレンドを明らかにした。そのうち中国の大規模言語モデル数は世界2位となった。人民郵電報が伝えた。
同レポートによると、産業界が引き続きAIの先端研究を主導している。産業界では23年に51の有名な機械学習モデルが生まれた一方で、学術界の貢献はわずか15にとどまった。23年に産学連携で21の有名モデルが生まれ、記録を更新。また新たに発表された基本モデルのうち、産業界からは108で、学術界からは28だった。
最先端のモデルがより高価になっている。同レポートによると、最先端のAIモデルのトレーニングコストはすでにかつてない水準になっている。例えばOpenAIのGPT-4はトレーニングに約7800万ドルの計算力を使用した。一方で、グーグルのジェミニ・ウルトラは1億9100万ドルを費やした。
米国は中国、EU、英国をリードし、トップクラスのAIモデル主要開発国になった。23年、61の有名AIモデルが米国の機関から発表されたもので、EUの21と中国の15をはるかに上回った。
世界的には、AIの潜在的な影響への認識についてはより深まっており、それに伴う緊張感も日々高まっている。市場調査会社の「イプソス」の最新調査によると、過去1年間で、「AIは今後3−5年内に生活を深く変える」とした回答者の割合が60%から66%に急増した。