ここ数年、政策基準の持続的な改善、試行・実証の持続的な深化に伴い、中国の自動運転貨物輸送が急速な発展を遂げている。スマート交通先導応用試行により、道路貨物輸送、物流配送、パーク内輸送、港湾業務などの典型的な貨物輸送物流シーンをめぐり、複数の自動運転試行任務の展開が加速し、市場規模が持続的に拡大している。人民日報が伝えた。
データによると、2023年末現在でスマート交通先導応用試行に参加する100社以上のイノベーション主体が、約1000台の自動運転トラックを投入し、約20の港湾が自動運転のコンテナ専用トラックを導入している。
午前中、赤い外観で長さ約16mの大型トラックが上海市と江蘇省南京市を結ぶ滬寧高速道路を安定的に走行していた。江蘇省蘇州市相城料金所を過ぎたところで、運転手の孫業付氏が「ワンキーで進入」ボタンを押すと、「智加ナビゲーションが起動しました」と音声アナウンスが流れた。これは一見普通の大型トラックがスマート運転支援モードに切り替わったことを示しており、孫氏が運転手から安全オペレーターに変わったことをも意味する。車内に座り監督管理するだけで、スマート大型トラックはリアルタイムの道路状況に基づき減速、回避、車線変更を行うことができる。
蘇州智加科技有限公司の崔迪瀟首席科学家は取材に、「大型トラックにはミリ波レーダー、レーザーレーダー、高画質カメラなど複数種類のセンサーが搭載されている。スマート大型トラックの『目』として、数百メートル離れた道路状況を確認できる。スマート大型トラックは360度の多重認識を実現でき、大雨や濃霧に遭遇しても恐れることがない上、事前に前方の渋滞を観察し、均一な減速と滑らかなブレーキにより、スムーズな走行と燃費の節約を実現できる」と述べた。
同公司は昨年、江淮汽車と共同で宅配市場向けのスマート大型トラックを開発した。これらのスマート大型トラックは現在すでに長江デルタ、珠江デルタ、北京・天津・河北などの地域で走行しており、各種物流事業を引き受け、全プロセスを通じて事故ゼロを維持しており、燃料を最大10%節約できる。
南通港通州湾港区呂四作業エリアでは、5台の自動運転コンテナ専用トラックが9番係留施設の91コンテナエリア閉鎖エリアで秩序正しく走行していた。設定されたルートに沿い、置き場の指定位置まで自動で移動し、全自動レールクレーンと位置を合わせた。そしてレールクレーンがコンテナを持ち上げて、コンテナトラックのトレーラー部分に入れた。
これは江蘇省で初の自動運転コンテナ専用トラックチームだという。江蘇滬通コンテナ埠頭有限公司運営操作部情報技術主管の姜昊舟氏は、「これまでこのような作業は従来型トラックの運転手が行い、何度も合わせる必要があり時間と労力がかかっていた。今は人工知能技術を搭載した自動運転コンテナ専用トラックで実現でき、誤差は5cm以内だ」と説明した。
姜氏は、「技術の発展により真に無人化されたスマートな輸送設備が登場する可能性がある。より柔軟・スマートである上、埠頭のインフラ改修を必要とせず、中国の95%以上の従来的な埠頭で導入でき、貨物輸送方法の高度化に適している」と述べた。